それでも地方創生に賭けますか?おりますか?(後編)【地域再生コンサルタント 大西正泰】

それでも地方創生に賭けますか?おりますか?(後編)【地域再生コンサルタント 大西正泰】
Author

大西正泰

一般社団法人ソシオデザイン 
地域再生コンサルタント
吉備国際大学講師

大西正泰

地域再生コンサルタント・大西正泰の提言!

 全国的に有名となった中山間地・徳島県上勝町のまちおこしで、地域再生コンサルタントとして活躍してきた大西正泰氏。その大西正泰氏が考えるコロナ後のまちづくりのあり方。(中編から続く)

【第4の提言】工業団地より集落団地へ

 大企業誘致型がいまだ効果あったという話ですが、どうしてもまちづくり系の人間としては、なにかワクワクしない(笑) 業績不振になったらいなくなるんじゃないのとか、いろいろご批判もありますが、夫婦の永遠の誓いさえも1/4の確率で放棄される時代ですから、その手のことはおいといて、やはり、持続可能なアイデアに切り替えたいなと思っていて。そういう面からすると、ただ製造業の人たちを呼ぶというより、集落そのものを団地にして、そこに住まう複数の企業やワーケーションに来るようなフリーの人々が集まる集落団地を作った方が面白いんじゃないだろうかと。

 集落団地のアイデアコンテストやって、投票は地元の人はもちろん、住みたい個人や企業さん。オンラインで集まってワイワイガヤガヤしながら、練り込んでいく。一回でダメというよりも、いいところを組み込んで、集落団地を練り育てていくようなプロセス。こういったやりとりを1年ぐらいかけてやって、みんなで作ってみる。これ、相当楽しいと思うのです。デザインコードさえ決めておけば、あとはどんな中身を作るか、どんな居場所になるのか、「新しい田園都市」を地方から提案していくのは面白くないでしょうか?

【第5の提言】教育に投資する

 やっぱり、まちづくりの本丸の一つは教育。教育だと、みんな協力しやすいんですよね。いま全国で広がっている高校魅力化プロジェクト。どこも楽しそうなことをやっていて、私が行ってきたのは、島根県(島前高校、津和野高校)、沖縄県(久米島高校)、高知県(嶺北中・高校)ですが、どこも学生さんが楽しそうで、都会から山村留学的に来ている子たちにヒアリングすると、自分らしさを取り戻して自信をもっているのが、すごく印象的なんですね。「鶏口牛後となるなかれ」ということわざではありませんが、あまりにもギチギチの競争をしすぎると、自信を失いやすく、それよりは、小さなプロジェクトでいいので、きちんと役割を担っていくことが大事なんだなと痛感しました。

 いまどき、教育に投資していない自治体があるとすれば、「生き残る気がない」というのと同じですね。将来住む可能性が一番あるはずの地元の子供達に投資してないとすれば、当然いなくなりますよね。未来に投資していない自治体の多いこと多いこと。教育に投資すれば、確実に変わります。子供以上に、大人が変わります。

【第6の提言】年齢別産業モデルへ

 ついに100歳以上が8万人を今年2020年に超えまして、リアルな100年時代に突入しました。こうなると、20歳前後から働き始め、同じ職種をずっとやるというよりも、いろいろな職種を組み合わせて、自分の仕事のポートフォリオを組み上げていく時代に変わっていくだろうなと見ています。

 つまり、スポーツ選手と同じで、一つの職種を引退しても、セカンドライフが何回も作れるわけです。私自身も、教師、シェアハウス、カフェ、バー、ゲストハウス、製薬会社などなど、まあいろんなことをやってきて、相当面白かったです。65歳過ぎれば、複数の組み合わせを活かした養殖をやりたいなと思っていたり、人口がこれから減る以上、生産労働人口を増やすためには、生産年齢の引き揚げが一番わかりやすくて、人口減っても、75歳まで現役であれば、それほど落ちることはありません。

 そういう意味で、シニア層がきちんとビジネスできる年齢別産業をきちんと構築しておくのは効果あると思っています。私が住んでいました徳島県上勝町は、和食のつまものをメインした葉っぱビジネスで有名ですが、みなさん、農家さんは、「死ぬまで現役」思想の持ち主です。60代などまだ働き盛りです(笑)。

 また、田舎こそ、女性にとって働きやすい環境に変えていくことはめちゃくちゃ大事です。女性のみなさんは優秀な人が多いです。ネットでも問題になりましたが、大学入試で性別を排除したところ、7割がた合格者が女性になったという。
 https://business.nikkei.com/atcl/opinion/15/248790/091300157/

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こうやってみてくと、まだまだやれることあるんです。だから、もったいない。
コロナ以後の世界は、「変えていく」強い意志があるところしか、人は来ません。それ以外は、東京から1時間半程度圏内で(交通手段は新幹線・飛行機も含む)、風光明美で美味しいものが揃っているところに、やっぱり集中しがちです。
こういった地方創生狂想曲にのらないで、独自路線を走るというのもありです。
とにもかくにも、だらだら地方創生が一番ダメなんです。
みなさん、ぐっと本腰入れて、やりましょう!